Design & Architecture 芸術工学という言葉はやっぱりいい

私が出た大学の学部の名前は「芸術工学部」です。

建築やってる知り合いや友人たちからすると「工学部」に「芸術」がつくものだから、芸大のように思われ、彼らから見ると「建築をやっている」感じが少なく感じるようです(芸大出身者に失礼な話ですが)。
なのでちゃんとした建築設計や構造に関するの授業がなかったり、二級建築士の受験資格が取れないように思われることもあります。(ちなみに建築だけでなく、プロダクトやグラフィック、音楽まで結構幅広い分野の授業があります)

「芸術」に「工学」という言葉が掛かっているわけではなく、あくまでも「工学」に「芸術」という言葉が掛かっているので、「芸術工学」と聞いて「芸術」の方が大きく連想されるのは、出身者としてはあまりいい気分ではありません。

まあ他人からどう思われても、実際のところどうでも良いのですが、この名前をつけた先生方にはかなりのこだわりがあったということ、わたしたちOBもそれに誇りを持って仕事をしている、ということはやっぱり知っておいて欲しいという欲求もあります。

 

面白いのが、この「芸術工学」を英訳するとき、「Design & Architecture」と訳したところです。

九州芸術工科大学(現九州大学)では「Art & Technology」と訳していました。

わたしの母校の学部の教授たちは、これからの「芸術工学」はアートではない、デザインだ、という信念が強かったのです。

designは、もともとラテン語の「designare(デジナーレ)」という言葉から来ていて、「問題を解決するための思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること」と言われています。
Artとの違いはここにあるわけです。

また、Architectureは、日本人からしてみると「建築」=「建物」という意味合いで大きく取られるようですが、元々は「構築する」という意味があります。こちらも「物事を抜本的なところから組み立てて解決する」という意味があると思います。

先生方は、学生に「表現者や技術者でなく、問題を抜本的に解決する能力を身につけて欲しい」と想いを込めて「芸術工学」=「Design & Architecture」と名付けたのです。

 

一般の方々が「デザイン」をどう捉えているかというと、デザイナーから見ると悲しいものがありますが、それをさらに助長するような働きをする「デザイナー」は多く居ます。日本に「デザイン」という言葉が入ってきたとき、ファッション業界から来ていることが「デザイン」=「装飾」だと思われるようになった所以だと言われています。

デザインは高尚なものではありませんし、単に尊敬に値するものでもありません。
時代によって求められているものが違うので、常に上記のように「問題を解決する思考・概念を組み立てること、それを人々を魅了出来るような抜本的解決策を提示すること」が出来るわけでもありません。

しかし、プロであるからこそ、デザインに対する誇りは持っておくべきだと思いますし、デザインを冒涜するような思想を持つべきではないと強く思います。

誇りを持ち続けるからこそ一般の人を唸らせるものを作り出せるのではないでしょうか。

わたしはいわゆるモノづくりをするときだけでなく、何かを計画するときは、いつも「芸術工学」=「Design & Architecture」の言葉が浮かんできます。

 

だから、「本当にこれでいいのか」とずっと引きずって、辛いときはいっぱいありますw
何事もバランスですかね。

KICX0584

 

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